こんな思いを···いつまで
自分を何度、罵ったか
わからない。
ただ·····ただ·····
生きていてくれて
······良かった·······と····
何度、祈り、感謝したか·····
邸に着くと
『『マシュー様。』』
アメリアとアメリアの夫である
ロバートが心配顔で出迎えてくれた。
『すまない、留守をして。』
マシューの顔は青ざめていた
どれほど、心配されたかがわかる。
急ぎ、部屋に入ると
まだ、アルバートが残ってくれていた。
『マシュー様。
もう少しでも、遅ければ。
本来なら病院の方が
宜しいのですが
事が事でございますので。』
と、言ってくれるアルバートに
『ありがとう。』
『いえ。足りない輸血は
アメリアとロバートから
取りました。
傷は、いずれ消えます。
ピアノは、ひまり様が
弾かれてみないとわかりませんが
心は····マシュー様にしか
癒せません。』
と、アルバートは言った。
マシューは、話を聞きながらも
ひまりの頭を撫で
おでこや頬にキスを落とし
手を繋げた。
『ありがとう。一度、ひいてくれ。』
と、ひまりを見つめたまま
アルバート医師に伝えると
『はい、明日の朝、伺います。』
と、言ってアルバート医師は部屋をでた。
マシューは、ひまりを抱き上げ
寝室のベッドへ運び
上着を脱ぎ
ひまりの横に滑りこみ
ひまりを抱き締めた。
失うかと、思った。
ひまりが居なくなることに
こんなに恐怖をだくなんて
怖かった···本当に····怖かった。
マシューは、
ひまりの左手に触れないように
ひまりを抱き締めた。
ドアの外で、アルバート医師は、
あんな顔のマシューを初めて見た事への
驚きと顔色の悪さを心配していた。