こんな思いを···いつまで

···ひまり


父の秘書から
4月1日から大倉財閥の長男と
一緒に暮らすように·····と

絶対に嫌だと思い
「駒として使われるのですから
私にも言う権利があります。
入籍するまでは、縛られたく
ありません。
もし、これを許されないなら
私にも考えがあります。」
と、言うと
なぜか、簡単に許可が降りた。

良かった·····

このマンションは、
秋穂様から薦められた所だ。

この部屋をでる時は、
秋穂様に話さないといけない。

秋穂様が知れば
父に文句を言うだろう
それは避けたい。
秋穂様にこれ以上迷惑をかけたく
なかった。

今日は、父の秘書が
「迎えにあがります。」
と、言ったが
自分で大倉様の会社に向かった。

少し待っていると父の乗る車が
到着した。
父は、私を見るわけでもなく
進んでいく
秘書の男が頭を下げるから
後に続く。

大倉様の会社も大きな会社だ。
と、思いながら進む

社員であろう人達から
すごく見られている。

物珍しいのだろうか·····

エレベーターに乗り
上へと上がりエレベーターが開くと
女性の方が頭を下げて待っていた。

エレベーターからでると
その女性の案内で社長室へ
社長と思われる男性が直ぐにでてきて
共に専務室へ
« コンコン »と、ノックして
中に入る。
私は、秘書の男性の後にいた。
父は、私の顔を見たくはないだろうから。

父と大倉財閥の総帥
そして長男である専務と
話をしている。

あまり聞き取れないが
別に構わない。

私は、父のダダの駒だ。
知る必要もない。

しばらくすると
父に名前を呼ばれた。

名前を知っていたんだと
思いながら
秘書の男性の隣に立ち
挨拶をする。

しばし、返事がなくて
どうしたのだろうと
思っていたら
大倉財閥の総帥
そして長男の方が挨拶をした。

今日は、これで退社する。

なんのために来たのやら
父の秘書から
「送ります。」
と、言われたが
これ以上、父といて
また、心無いことを
言われるのは嫌だったから
「ありがとうございます。
   でも、一人で帰ります。」
と、言って踵を返して歩きはじめた。

明日からの事を考えると
憂鬱で、帰ってから
ピアノを弾いて
心を落ち着かせよう。
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