SP警護と強気な華【完】
「カトレア、昨日はごめんね?
20歳の誕生日だったのに仕事で一緒にいられなくて…」
「ううん、大丈夫」
「今日は特別なお祝いをしてあげなきゃね」
「本当?嬉しいッ
ありがとうね」
彼からの愛に頬を染めるカトレアを
大通りを行き交う人々に溶け込み
距離を保って跡をつけていた柊は
彼女を優しく見つめる男の目に
妙な違和感を感じていた。
ランチを済ませショッピングなんかをし
ひとしきりデートを満喫した2人だったが…
「少し…僕の家に来ない?」
「え…」
夕日が沈みかける頃
突然の彼氏からの誘いに
一瞬ドクンと心臓が跳ねた。
夕暮れから夜にかけて
独り暮らしの彼氏にお邪魔するという事が何を意味しているのか
経験のないカトレアでもわかっていたから。
誘いを承諾し
彼に連れられるまま自宅へと入っていく2人。
「バカか、あの女…
狙われてる自覚を持てって言ったのに
警戒心の欠片もねーのかよ」
壁を背に隠れ
チッと舌打ちしながら様子を伺う柊は
カトレアに対して呆れていた。