SP警護と強気な華【完】
7章:愛を知る
数人の警察官が車を追い掛け
他は屋敷のまわりを警備。
柊はカトレアの元へと駆け寄った。
「カトレアっ」
「柊さん、私…」
「…ッ」
あまりに弱々しく生命力の感じない目の彼女に
思わず抱きしめてしまった柊。
もともと華奢なカトレアの体は
疲れ切っているせいか
腕をまわした背中は更に小さく感じた。
「ごめん…俺のせいでッ」
泣いているのか
苦しそうな彼の声に
カトレアは、ただただ泣き続けていた―――
落ち着きを取り戻し
警察が護り固める屋敷の中へと入った2人。
「茶、勝手に入れさせてもらったぞ」
リビングのソファに座るカトレアの前に
紅茶の入ったマグカップを差し出した。
「ありがとうございます…」
小さく頭を下げる彼女は元気がない。
「大丈夫…なワケねぇよな」
対面に腰掛け
俯くカトレアの様子を気にするが
どう声を掛けていいのか困ってしまった。
意外にも
先に切り出したのはカトレアの方。
「私、柊さんの事
なにも知らなかった…」
マグカップを見つめながら
彼女は続けて尋ねる。
「お父様を知っていたんですか?」
と――