SP警護と強気な華【完】

みるみる上達し強くなっていったが
やはり他人とは距離を置き続けていた柊は
祖父の家族
つまりカトレア達を遠目から見た事はあったが
顔を合わせようとはしなかった。

「そんな時に公園でお嬢さんと
 あの父親の姿を見掛けた」

「そう…なの?」

「あぁ…
 それも監禁事件の日だ」

「え…?」

「父親と娘が一緒にいるのは
 普通で当たり前な光景だと思っていた。
 あのあと誘拐が起きるとは考えてもみなかったんだ…」

カトレアが写真を見せた時
父親がいないと言っていた事に最初疑問に思い
記憶がない事と監禁事件との繋がり
それがわかった時
ようやく疑問に思っていたものが解消された。

「当時は俺も子供で
 何も知らないまま過ごしてきて
 警察官になり…最初の警護をする事になった」

「それって…」

「あぁ…
 婚約した相手だ」

ストーカーに遭っていた当時の女性を
警護する事になった柊。
最初は恋愛関係になかった2人。
共にいる時間が長くなり
次第にお互い惹かれ合い交際。
結婚を約束する間柄になっていった。
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