SP警護と強気な華【完】
有無を言わさず
完全にカトレアのペースに引きずり込まれている事に
もはや抵抗するのも面倒になったのか
柊は諦めて素直に言う事を聞く事に。
「あ、そうだ柊さん」
ふと何かを思い出し掃除機の電源を切ると
棚を片付けている柊の方を向いて声を掛けた。
「なんです?お嬢さん」
音がなくなった分
振り返らずともカトレアの声が聞こえやすくなった為
手は動かしたまま返答する。
「年が明けたら学校が始まります。
私が大学に行ってる間って
警護はどうするんですか?
さすがにそこまでは何もないと思いますが
SPだって校内は入れないですし一応聞いておこうかと…」
「あぁ、そうだな。
さすがに部外者は怪しまれるからな」
心配そうに聞いてくるカトレアだが
柊はそれに対してもドライな態度で返す。
「じゃぁいったい…」
「なんとかなるだろ。
アンタは気にせず勉学に励め」
黙々と片付けの作業を続ける柊は
その手を止めようとしない為
カトレアも『学校は警護対象時間外なんだ』
なんて、あっさり受け入れた―――