SP警護と強気な華【完】
しかしあまりに突然の出来事だったからか
やはり恐怖はあったようで
カトレアの体は小刻みに震えている。
「こ、こんな事して…
警察呼びますからッ!」
それでも弱さを見せない彼女に
男は目を細めた。
「必死だねぇ…
まぁ通報でもなんでも どーぞ、ご勝手に。
呼ばれた所で俺は”そこ”の人間だしな」
一切慌てる様子もなく
あしらいながら未だ周辺を気にしている。
「”そこ”の人間って…
あなた、いったい誰なんです…?」
「申し遅れましたね、お嬢さん。
俺は警視庁警備部警護課の柊と言います。
アンタの爺さんに頼まれて
今日から護衛させて頂きます」
辺りに視線を送っていた柊だが
安全を確認したところで軽めに名乗ってきた。
「警察…の方?
お爺様に頼まれたって…
いったいなんの話です?
何かの冗談?まさか…私を騙しているんです!?」
何が何やら
彼の言ってる意味がまったく理解出来ず
不信感が強くなるばかりのカトレアは
更に警戒心を露わにする。