SP警護と強気な華【完】
照れてしまい思わず俯き加減に顔を伏せたが
この男は気付かない。
それどころか…
「誘き出して
化けの皮を剥いでやる」
悪役みたいなセリフを吐きながら
その目をギラギラさせていた。
しかし、やはりそう上手くはいかず
昨日出会した図書館で逆待ち伏せをしてみたり
朝から夕方まで目を光らせて周囲を警戒して過ごしていても、一向にそれらしい人物を見つける事が出来ずにいた。
もちろん終始
常に柊が隣にくっついてもいられない。
他の生徒はもちろん
教師もカトレアの友人も柊の正体をバレるワケにもいかないから協力だってしてもらえない。
遥かに難易度が高い話だ。
「あー!クソっ!
全ッ然見つかんねーぞ!」
日も暮れ始め
中庭のベンチで項垂れる柊と
少し距離を空けて座るカトレア。
「どうしましょうか。
思った以上に難しいですね…」
「何かもっと別の方法で捜すか」
腕を組み眉間に皺を寄せ
『んー…』っと唸る彼を横目に
カトレアはまわりからの好奇な視線に戸惑っていた。