SP警護と強気な華【完】

「ナイフはただの脅しだ。
 お前を連れていくにしろ
 傍にいたあの男が邪魔だったからな。
 引き離すために”餌”を巻いただけ」

「それってつまり…
 目的は最初から彼だった…?」

カトレアから遠ざけるために仕組まれた罠であり
柊にナイフを向け攻撃したのだと
彼女もこの時に知った。

「人選をミスったけどな。
 センスのない素人に襲わせたから
 成功するかは五分五分だったし。
 見事に上手くいって良かった。
 案外ちょろい男だな。あの講師の先生」

無関係な人間を使って危ない事をさせ
柊を見下して冷笑するシオンに
カトレアは思わず腹が立ってしまい。

「最っ低ね。
 私に用があるのなら
 正々堂々とあなたが来ればいいじゃない!
 他人を使ってこんな事して
 大惨事になるかもしれなかったのよッ」

許せない気持ちから
興奮しながら声を張ったが相手には届かない。

「それがどうした。
 俺からすれば誰がどうなっても構わない話だ。
 お前を生きて連れ出すためなら
 使えるモノは使うだけ」

冷酷すぎるシオンの言葉に
カトレアは背筋が凍りついた。
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