SP警護と強気な華【完】
(そうだ、スマホっ)

ポケットに入れておいたのを思い出し
探してはみたが見つからない。

その様子に勘づいたシオン。

「悪いけど、GPSで調べられたら困るから
 スマホは預かった」

唯一、柊が見つけてくれる手掛かりまで失ってしまった。

(どうしよッ
 これじゃ柊さんに居場所を伝えられないッ)

マズイ状況に戸惑い焦り
唇を噛み締めてシオンを睨みつけた。

「そんなに怒るなって。
 これもお前のためなんだから」

「私をどうするつもり!?」

「保護だよ、保護」

そんな事を言われても
ムリやり拉致しておきながら何が保護なのかと
疑問でしかない。

(なんとかここから逃げないとッ)

しかしカトレアは現在地がわからない。
車内から見た景色は途中まで記憶していたが
意識を失ったせいで肝心の到着場所を見ていないからだ。

何か良い方法はないか
どうしたらいいのかと
解決策を考えていたが―――



―――ガタンっ



「えッ…?」

音と同時に庫内が一瞬揺れ
エレベーターが停止してしまった。





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