LOVE and DAYS…瞬きのように
Chapter.1 ――瞳
つぼみのトキ
あたし、別に友達とかいらないし。
男なんて興味ないし。
テキトーに遊んでテキトーに笑っていられりゃ、それでオッケーだし。
――って
心から言えたらどれほど楽だろう。
そんな考え方ができるようになれば、傷つかずにすむのかな。
たとえば今みたいに、恋と友情を同時になくした時だって。
音程のずれた歌声がどこからか聞こえてくる、カラオケ店の廊下。
あたしはほんの少し開いたドアのすき間から、部屋をのぞいて立ち尽くす。
なんでこんなことになっているんだろう。
さっきまでは3人仲よくヒットメドレーとか歌ってたのに。
なんであたしがトイレに行って戻ってきたら、あのふたりがキスをしているの。
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