LOVE and DAYS…瞬きのように
ただの自惚れかもしれない。
妄想かもしれない。
でも、電話の向こうでいじけている健吾を思い浮かべるとおかしくて、
ついつい笑みがこぼれてしまった。
……どっしり構えているかと思えば、時々子どもみたいな健吾。
こんな人、あたしの周りには他にいないよ。
「ごめん。普段メールの方が多いから、キャッチつけてなくて」
にやけているのがバレないよう、声のトーンを抑えて言う。
「で、急にどうしたの?」
電話の用件をたずねると、少し間があった。
あたしは携帯を耳に押し当て、健吾の言葉を待った。
「あー、あのさ」
思いのほか、優しい声が響いた。
「今日のアキのこと、気にすんなよ」
「え……? 別に、気にしてなんか」
ないよ、とは言えない。
ついさっきまで、お風呂でのぼせるくらい悶々と考えていたんだから。
「何があったのかは知らねぇけど、お前が気にする必要はないからな」