LOVE and DAYS…瞬きのように
アジサイの心
翌朝、登校するなり甲高い声に呼び止められた。
「莉子ちゃん!」
ぱたぱたと足音を鳴らしながら真由ちゃんが駆け寄ってくる。
「昨日シンさんから電話あったでしょ? 勝手に番号教えてごめんね」
「ううん、こっちこそ心配かけてごめん」
もう大丈夫だよ、とあたしが言うと、真由ちゃんは安堵の表情を見せた。
きっと一晩中心配してくれていたんだろうな、と思うような安心の仕方だった。
真由ちゃんと話しながら席につき、ちらっと隣を見る。
アキさんの姿はない。
「ねぇねぇ、もうすぐ学園祭だよね」
真由ちゃんが何か企んでいるような声で言った。
「そうなの? 学祭って普通は秋じゃない?」
「この学校は6月なんだって。めずらしいよね~」
言いながら、真由ちゃんはあたしの耳元に顔を近づけてくる。
何かと思ってあたしからも近づくと