LOVE and DAYS…瞬きのように
「実はさっきドラミちゃんの店の前で健吾先輩に会ってさ~。
なんとなーく店に入って、なんとなーくガリガリ君買ったら、当たりが出たんだよ。
しかも4連続。すごくね?」
小学生みたいなことを大まじめに自慢するミツルに、真由ちゃんはあきれ顔。
「で、それ全部食べてたの?」
「おう! 男なら途中でやめるわけにいかねーだろ」
「くだらなーい。それで遅刻とかありえないし」
ギャーギャーと楽しそうに言い合うふたり。
そんな中、あたしの声だけがちょっと真剣だった。
「……健吾が、駄菓子屋さんにいたの?」
「え? ああ、たぶん今もいるんじゃねーかな。
めずらしく一人だったから、暇そうにしてたぜ」
「………」
たしかに、いつもみんなと騒がしくしている健吾が一人でいることなんてめったにない。
これってもしかしてチャンス?
普段のあたしならそんな考えは浮かばなかっただろうけど、
他の女の子に先を越されるかもしれない、という想いが、あたしを少し大胆にした。