LOVE and DAYS…瞬きのように

「あたし、トイレ行ってくるね」


下手くそな言い訳をして立ちあがり、あたしはそそくさと教室を出た。

 


先生に見つからないように祈りながら校門を抜けると、小走りで駄菓子屋さんに向かった。

すぐにお店が見えてくる。
 
ちょうど、健吾がひとりで出てきたところだった。


「おぉ」


あたしを見つけた健吾が、足を止めた。


「どうした? 授業中だろ」

「えっと……」
 

答えあぐねていると、健吾は意地悪っぽい口調で言った。


「さては俺に会いに――」

「違います!」

 
あわてて否定するあたしを、ケラケラと笑う。


< 109 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop