LOVE and DAYS…瞬きのように

あたしたちはクラスメイトと共に校舎に入った。

教室は一階の奥だという。

先頭を歩く先生に続き、キョロキョロしながら廊下を歩いた。
 

中学の校舎とは少し違うにおい。

心なしか天井が高い気がする。

窓から入ってくる風は春の陽気を含んでやわらかく、グラウンドの向こうに散りかけの桜が見えた。


「よし、着いたぞー」


“1-D”と書いている場所で、先生が足を止めた。
 
ここがあたしたちの教室か……。

ガラス窓から中をのぞくと、きれいに消された黒板や、何も貼られていないボードが目に入った。
 

ガラガラッ、と先生が扉を開ける。

新生活の始まりの音に、胸が高鳴る。
 

でもそれは、

突然響いてきた爆音であっさり吹き飛ばされてしまった。


「…ッ、あいつら!」


先生が舌打ちしてにらんだ方向に、全員の視線がいっせいに向いた。


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