LOVE and DAYS…瞬きのように
普段とはまったく違う、にぎやかな校内。
手描きのポスターが壁中に貼られた廊下を、アキさんとふたりで歩きながら、
……こ、これは、すっごく気まずいかも。
そんな言葉があたしの頭を埋め尽くしていた。
原因は、周りからチラチラ寄せられる視線やヒソヒソ話し声。
そう、あたしたちは明らかに注目を浴びていた。
だけど委縮しているのはあたしだけで、アキさんはまったくお構いなしだ。
いつも健吾ばかり見ているせいで忘れがちになっていたけれど……
健吾の親友である“橘アキ”も、じゅうぶん有名人なんだ。
それに加えてこの外見。
ファンが多くて当たり前だと、今さら納得させられる。
あたしはうつむいて歩きながら、ため息をついた。
健吾と回るはずだった学園祭を、アキさんと回ることになるなんて考えてなかったな。
ていうかあたし、この人のことが苦手なはずじゃなかったっけ。