LOVE and DAYS…瞬きのように
「あの、アキさん」
一緒に歩くだけで何も話してくれないアキさんに、思いきってこちらから話しかける。
と、彼はなぜか、謎のツチノコ形の人形を売る店に釘づけになっていた。
「ん? 呼んだ?」
3秒遅れて気づくアキさん。
「……いえ。何でもないです」
「そう」
そっけなく言って、またそのツチノコもどきに熱い視線を注ぎ始める。
「あの、もしかしてアキさん、それが気に入ったんですか?」
「うん。かわいくね?」
「はぁ」
……やっぱりこの人、どこか変だ。ていうかたぶん天然だ。
結局ツチノコもどきをお買い上げしたアキさんと、再び無言で校内を歩いていると
前からミツルがあたし目がけて走ってきた。