LOVE and DAYS…瞬きのように
「莉子、今までどこ行ってたんだよ――って、うわっ!
何っすかアキさん、その気色悪い人形は!」
「気色悪い?」
「あ、いや、渋いっすね」
コロッと変わるミツルの態度は、まるで瞬間芸だ。
まったく、調子がいいというか要領がいいというか。
なのに好きな子のことになると、からっきしダメなんだから……。
「あ、そうだ、莉子に話があるんだった。アキさん、ちょっとこいつ借りますね」
ミツルに連れられ、少し離れた場所に移動した。
廊下のすみっこでふたりになると、ミツルは急にそわそわと貧乏ゆすりして話し始めた。
「莉子、俺、どうしよう」
「何かあったの?」
「あの子が来てるんだよ! さっき校庭で見たんだ」
「……まじで?」
思わず顔をしかめてしまったけれど、興奮気味のミツルは気づかない。