LOVE and DAYS…瞬きのように
「え、あの……」
まごつくミツルを置いて、アキさんは歩きだした。
その背中とミツルを交互に見ながら、オロオロするあたし。
迷った末、とりあえずお礼を言わなきゃと思い
「ミツル、ごめん!」
とだけ言って、あたしはアキさんを追いかけた。
――『ちょっとは、こいつの気持ちも考えろよ』
初めて見た彼の一面。
まさかあんな風に言ってくれるなんて思わなくて。
不覚にも、あたしは感動していたんだ。
走っているとすぐにアキさんに追いついた。
「あの、ありがとうございましたっ」
「んー」
表情を変えず、すたすた歩くアキさん。
整ったその横顔に、あたしは続けて話しかける。
「あの、あたし、アキさんのイメージが変わりました! 冷たそうだと思ってたけど、本当はすっごく――」
「あのさぁ」
「はい?」