LOVE and DAYS…瞬きのように

「“さん”はいらなくね？
　一応、学年はタメなんだし」

「………」

「アキでいいよ」
　


……胸が
押しつぶされたように、痛くなった。


こんな会話を以前、健吾ともしたことを思い出して。



――『先輩って呼ぶな。健吾でいい』
　


あの頃はまだつぼみだった、あたしの恋。



あれからいろんなことがあって

あたしは健吾への気持ちを自覚して。


素直じゃない自分なりに、ちょっとずつ近づけるようにがんばってきたつもりだったのに。



――『莉子ちゃんは、先輩を騙してることになるんですよ』
　


あんな言葉を信じちゃうくらい、健吾にとってあたしは小さな存在だったのかな。

そう思うと悲しくて、悔しい。
　

だけど何より悔しいのは

健吾の気持ちを確かめる勇気がない、あたし自身だ……。