LOVE and DAYS…瞬きのように
渡り廊下の下には、すでに人だかりができていた。
ケンカしているのは2人や3人じゃないらしく、乱闘のような雰囲気。
罵倒するような声、先生のどなり声が聞こえるけれど、野次馬のせいでその中心は見えない。
あたしは人だかりを押しのけて進んだ。
ぎゅうぎゅう詰めの状態で、肩や背中が容赦なくぶつかる。
だけど力の弱い女子が耐えきれるはずもなく、あたしはあっけなく輪の外に弾き出された。
「――大丈夫!?」
そう言って、倒れたあたしに駆け寄って来てくれたのは――
真由ちゃんだった。
「何してんの、あんなところに入っていったら危ないじゃない!」
あたしの前にしゃがみ、真剣な瞳で叱る真由ちゃん。
「で、でも、もしかしたら健吾がいるかもしれないと思って」
あたしの言葉に真由ちゃんは一瞬きょとんとして、すぐに納得したようにうなずいた。
「月島先輩はあの中にいないよ。全然関係ない人たちのケンカみたいだから」