LOVE and DAYS…瞬きのように

「……そうなの?」

「うん」

「………」
 

なんだ、完全にあたしの早とちりだったのか。
 

真由ちゃんは胸ポケットから絆創膏を出して、すりむいた膝に貼ってくれた。


その優しさが嬉しくて、
だけどどういう顔をすればいいのかわからない。
 

加熱する乱闘騒ぎのかたわらで、あたしと真由ちゃんの周りだけ、妙にぎくしゃくした空気が漂っていた。



「じゃあ、あたし行くね。友達を待たせてるし」


絆創膏のクズをくしゃっと手で丸め、真由ちゃんが言った。


「うん。……真由ちゃん、ありがとう」
 

真由ちゃんはふと、何か言いたげな顔をしたけれど、それを振り切るように立ち上がった。


あたしは下を向いたまま、ピンクの絆創膏を見つめていた。
 

友達、か。

その言葉の中に、あたしはもう入っていないんだろうな。


「あ――」
 
歩き出そうとしていた真由ちゃんの足が止まった。


「あれ、月島先輩じゃない?」



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