LOVE and DAYS…瞬きのように

真由ちゃんの視線を追って、上を向くあたし。

目に入ったのは、2階の渡り廊下に立つ、健吾とシンさんだった。


「おぉ~、派手にやってんじゃん」
 

シンさんが手すりから身を乗り出して言った。

隣には、高みの見物という感じで騒ぎを見下ろしている健吾。


「でもさぁ、そろそろ危ねーからやめとけば?」
 

いつもの軽い口調でシンさんが呼びかけたけど、混乱は治まる気配がない。

いつのまにか他校の生徒まで巻きこみ、収拾がつかない状態になっている。
 

すると、

左腕を手すりにのせて見ていた健吾が、おもむろに口を開いた。


「お前ら、やめろよ」
 


……これは、何の魔法だろう? 


本気でそう思うほど、健吾の一声で騒ぎはピタッと鎮静したんだ。


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