LOVE and DAYS…瞬きのように
「ツキシマ先輩だってさ!」
「まじで! どの人が!?」
にわかに騒ぎ出す生徒たち。
他のクラスの人も廊下に出てきて辺りは騒然となった。
何なの、この状況……?
ううん、それよりも衝撃的なのは。
先生が、生徒が、
そろって口にしている言葉――
“ツキシマ”
あたしは窓に駆け寄った。
同級生たちを押しのけて、無我夢中で。
そして目にしたものは――
風になびく、キャラメル色の髪だった。
「うそ……っ」
声が震えてしまう。
縦横無尽に走り回る2人乗りのバイク。
シートに手をついて後ろに乗り、不敵な笑みを浮かべる男。
誰よりも堂々と、誰よりも熱い注目を浴びる、その男。