LOVE and DAYS…瞬きのように
「ちょっと! 何してんのよ、健吾」
ハッとして、大慌てで健吾の腕をひっぱるあたし。
「何じゃねぇよ。せっかくこいつが遊んでくれるって言ってんのに」
「もうっ、バカなこと言わないでよ!」
呆然とする男になぜかあたしはペコペコと頭を下げ、強引に健吾をひっぱって逃げた。
「お前なぁ。そんなに邪見にしたら、あいつがかわいそうだろ。人類みな兄弟だぞ」
まったく心のこもっていない声でそう言って、ケラケラ笑う健吾。
完全にあの男のことをからかっている。
そんな彼を見ていたら、あたしはすっかり脱力してしまった。
「――ところで莉子、あんな所で何やってたんだ?」
気を抜いていたところに、いきなり気まずい質問され、思わず目が泳いでしまう。
「別に、何もしてないよ。ヒマだからウロウロしてただけだもん」
「ふーん」
本当は、健吾のバイトが終わるのを待っていた。
それをきっと健吾も気付いてる。
きっと見透かされているんだけど、やっぱり素直に認めるのは悔しくて。
健吾と付き合って早一ケ月。
だけどまだ、意地っ張りなままのあたし。