LOVE and DAYS…瞬きのように
「別にビールくらい、いいじゃん」
「はあ」
断ろうと思いつつ、つい受け取ってしまうあたし。
今までお酒を飲んだことはないけれど、お姉ちゃんがよく飲みに出かけるから、ちょっと興味はあったんだ。
ドキドキしながらプルタブを引こうとしたそのとき
「おい」
健吾が後ろからシンさんの頭をはたいた。
「莉子に変なこと教えるな」
「あ~あ。見つかったか」
ヘラヘラと笑いながら肩をすくめ、部屋に逃げていくシンさん。
健吾は舌打ちしてあたしの手からビールを奪い、代わりにコーラを渡してくれた。
「お前なぁ、シンに乗せられるなよ」
「……ごめんなさい」
また怒られちゃった。
でも……なんだろう。
怒られてちょっと嬉しい、なんて思うあたしはおかしいのかな。