LOVE and DAYS…瞬きのように

部屋に戻ると、シンさんが今の出来事をアキに話していた。


「すっかり莉子ちゃんの保護者だよ、健吾は」
 
と言うシンさんに


「健吾の日ごろの行いも、誉められたもんじゃねーのにな」
 
アキが皮肉っぽく笑う。


「そうそう、アキの言う通り。こないだもさぁ、街でいきなり変な奴らとケンカ始めて――」


「お前ら、よけいなこと言ってんじゃねぇ」
 

健吾が一喝すると、シンさんはまた肩をすくめ、アキは笑いをこらえるような顔になった。

ふたりとも、全然こたえてないって表情だ。
 

こういうのを見ると、3人は本当に仲がいいんだなと思う。

憎まれ口を叩きながらも、実はすごく楽しんでいるし、信頼し合ってるのがわかるんだ。



「あいつ、絶対照れてたよな」
 

バツが悪そうに頭をかきながら、トイレに消えて行った健吾を見て、シンさんがしめしめと笑う。


あたしは苦笑いしながら床に座り、コーラのふたを開けた。




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