LOVE and DAYS…瞬きのように
「私ね、ずっとタカシが好きだった。
でもタカシはきっと、莉子(リコ)のことが好きだと思ってあきらめてたんだ」
そう言って顔を赤らめるのは、あたしの恋に協力してくれるはずだった女友達。
「んなことねーよ。俺は莉子みたいな気の強いタイプより、お前の方がずっと気になってたし」
そう答えて照れ笑いするのは、あたしが中2のときから好きだった男の子。
……そっか。
つまりあたし、友達に裏切られちゃったんだ。
ついでに失恋までしちゃったんだ。
状況を理解したとたん、強烈なむなしさが襲ってくる。
もちろん部屋には入れるわけがなく。
あたしはそのままフロントに行き、ひとり分の料金をカウンターに叩きつけた。
今は誰とも話したくなかった。
……なのに。
「文句、言わなくていーのか?」
突然降ってきた低い声。