LOVE and DAYS…瞬きのように
「――さあ、そろそろ帰るか」
戻ってきた健吾が、突然そう言った。
「え~、やだ~! もうちょっといる!」
あたしと真由ちゃんは首をふって駄々をこねる。
「アホか。送っていくから立てよ、ほら」
あたしたちは立ち上がり、キャーキャーと笑いながら健吾から逃げた。
そして近くに停めてあった健吾のバイクにふたりでまたがって、健吾が乗れないようにする。
「送ってなんかいらないもーん」
得意げにそう言って笑うあたしたち。
……まだ帰りたくない。
もっと健吾のそばにいたいんだよ。
「お前らなぁ、降りろって」
「やだ」
「あっそう。んじゃ、そのまま乗ってろ」
「えっ?」
健吾はあたしたちが占領しているシートにむりやり座り、エンジンをかけた。
前から健吾、あたし、真由ちゃんの順に3人を乗せたバイクが走りだす。
「えーっ、ちょっと! 3ケツはないって!」
「うるせぇ、自業自得だ」
勝ち誇った健吾の声。
背後でシンさんとミツルの爆笑が聞こえたけれど、すぐに遠くなった。
夜風を切りながら、あたしたちはバカみたいにキャーキャー言って笑った。
「ひゃーっ、一番後ろってまじ落ちそうなんだけどっ」
「あははっ! てかさー、うちら周りから見たら超ださくない?」