LOVE and DAYS…瞬きのように
「ねえ、アキ。今から3時間くらい付き合って――」
「却下。待つならひとりで待てば?」
「え~っ、そんな冷たいこと言わないでよ。アキも健吾に会いたいでしょ?」
すげない態度のアキに食い下がると、彼は観念したように鼻でため息をついて言った。
「……言っとくけど、俺の貸しは高いぞ」
「ありがとう、アキ!」
あたしはパッと笑顔になり、彼の腕をつかんで歩き出す。
だるそうな顔をしつつも、速度を合わせて歩いてくれるアキ。
そういえば、他人にお願い事をするのが苦手なあたしも、この人の前でならけっこう素直になれる気がするんだ。
最初はとっつきにくい存在だったのに、不思議なものだよなあ……。
健吾のバイト先の近くで、あたしたちは軽い夕食をとり、時間をつぶした。
「そろそろだな。行くか」
「うん」
バイトが終わる時間を見計らい、カラオケ店まで移動。
従業員用の裏口がある駐車場に行くと、健吾のバイクが停まっていた。