LOVE and DAYS…瞬きのように
健吾が出てくるまで、あたしたちは駐車場のフェンスにもたれ、空を見上げた。
このあたりは街の灯が明るいせいか、星は見えず、くもったグレーの空が広がっている。
しばらくそうしていたけれど、健吾はなかなか現れなかった。
「遅いなあ」
ぼそっとつぶやくと
「夏休み最後の日だから、混んでんじゃね?」
とアキが答えた。
「俺、ちょっと見てくるわ」
そう言ってフェンスから体を離し、正面入口の方に歩いていくアキ。
ひとりで心細くなったあたしは、裏口をそっとのぞきに行った。
閉まった扉のむこうから、騒がしい音楽がもれている。
ひっそりとしたこの駐車場とは別世界みたいだ。
健吾、
早く出てこないかな――…
「――っ」
突然、後ろから両肩をつかまれ、あたしは心臓が止まりそうになった。