LOVE and DAYS…瞬きのように
やっぱり、もう一度健吾と話がしたいよ。
別れの理由があの男たちだとしても、ちゃんと詳しく説明してもらいたい。
そんな思いは、廊下で健吾に会ったことで抑えきれなくなった。
「一緒に行ってやろうか?」
放課後、健吾のもとに行こうとしたあたしにアキはそう言った。
「ううん、ひとりで大丈夫。……ありがとう」
と答えると、アキは心配なんか微塵もしていないような涼しい顔で「そう」と言った。
昨夜、泣き続けるあたしのそばでずっと、何も言わずにいてくれたアキ。
これ以上心配をかけちゃいけない。
あたしは鎖骨まで伸びた髪をキュッとひとつに結び、駄菓子屋さんに向かった。
きっと健吾は、一週間前の騒ぎでお店に迷惑をかけたことを、謝りに行っているだろうから。
お店に到着すると、おばあさんは奥の個室に目配せして「来てるよ」という顔をした。
健吾……やっぱりここだったんだ。
あたしは深呼吸をして、そっと個室のドアノブに手をかける。
「――本気で別れるつもりなのかよ」
扉の向こうからシンさんの声が聞こえ、思わず手を離した。