LOVE and DAYS…瞬きのように
震える手で、健吾の学ランを後ろから握った。
健吾にも、お母さんの声がもれて聞こえたらしい。
ふり返って心配そうにあたしを見つめている。
「あなた、今までも何度か授業をさぼってたんですって!?
今日は他校の生徒と騒ぎを起こしたっていうし、どうなってるのよ。
あなたはしっかり者だから安心していたのに。
……月島とかいう男の子の影響ね、そうなんでしょう?」
その言葉に、あたしは一瞬、絶句した。
「なんで……お母さんが、健吾を知ってるの?
お母さん、今どこに……」
「学校よ。先生に呼び出されて、さっきまで話し合っていたの」
「え……」
お母さんの言葉と、ほぼ同時だった。
あたしの視線はあるものを捉え、その一点に吸い込まれていった。
校舎の裏玄関から出てきた、お母さんの姿に。
「お母…さ……」
20メートルほど離れた場所。
携帯を耳にあてたお母さんが、こちらに気づき、大きく目を見開く。