LOVE and DAYS…瞬きのように
「自分の分、払うよ。かなり食べ残しちゃったし……」
「いい。そんなことより」
健吾はそこで言葉を区切り、またしてもあたしの頬をつねる。
「明日からはちゃんと食え。
この丸顔が見られなくなるのは、嫌だからな」
「………」
どうしてそんな、優しい顔で笑ってくれるの?
そんな顔をされたら
もっと離れたくなくなるよ。
そばにいたい。
健吾と一緒にいたい。
あたしたちのしていることを、大人はバカだとあきれても。
たとえ間違った行動だとしても。
やっぱりあたしは、健吾を失いたくないんだ。
あたしたちは今夜泊まる場所を探した。
なるべく安くて、人に見られずに入れる所…といえば限られてくる。
少しバイクを走らせ、見つけたのはインター近くのラブホテルだった。
ドラマなんかで見たことのある、写真パネルが並ぶロビー。
こんな場所はもちろん初めてで、足が震える。
健吾が部屋を選んでくれている間、あたしは少し離れた場所でうつむいて待った。