LOVE and DAYS…瞬きのように

「莉子」

「あっ……うん」
 

健吾の後に続いてエレベーターに乗り込んだ。

5階のボタンを押してドアが閉まると、ゆっくり上昇を始める。



部屋に入り、真っ先に目に飛び込んできたのは、やたら存在感を放つ大きなベッド。

本来はそういう目的で使う部屋なのだから当然だけど。


あたしは緊張で、うまく呼吸ができなくなった。


「こんな所にしか泊まれなくて、悪ぃな」
 

あたしの様子を見かねたように、健吾が言う。


「ううん! 全然、気にしてないし!」
 

あたしは少しおどけたように、明るく答えた。

変に意識しているとか思われたくなくて。


「そっか。じゃあ、風呂でも入ってこいよ」

「へっ!?」
 

思わず叫ぶあたし。

意識していたのがバレバレの、過剰反応。


< 305 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop