LOVE and DAYS…瞬きのように
健吾はそんなあたしに少しだけ目を丸くして
それから優しく笑った。
「怖がるなって。別に変な意味で言ったんじゃなくて、風呂にでも入れば落ち着くと思っただけだから」
「……う、うん」
わかってるよ……。
勝手に変な意味にとらえたのは、あたしだもん。
恥ずかしくて顔を上げられない。
「まだ入らないなら、俺が先にシャワー使うけどいいか?」
あたしはうなずいた。
先に健吾が行ってくれる方が、なんとなく気が楽だ。
健吾は学ランを脱いでソファに投げると、お風呂場に入っていった。
すぐにシャワーの音が響いてきた。
「……はぁ~」
はてしなく長いため息を吐いて、ソファに腰をおろす。
みっともないくらいドキドキしている、あたしの心臓。
ちらっと横目で健吾の学ランを見て、またため息をついた。
健吾……やけに落ち着いていたけど、こんな場所は初めてじゃないのかな。
なんだかあたしひとりで取り乱して、バカみたい。