LOVE and DAYS…瞬きのように
とりあえずあたしは制服を脱ぎ、浴室に入った。
健吾が使ったばかりだから、湯気が充満して温かかった。
うちとは比べ物にならないくらい、広い浴槽。
たっぷりのお湯につかると、ドキドキした心とは裏腹に、体がほぐれていく。
目をつむって力を抜くと、少しずつ気持ちも落ち着いていった。
髪や体を洗い、浴室を出たあたしは、例のバスローブにそでを通した。
……やっぱりこの格好、恥ずかしい。
でもモジモジしてちゃよけいに気まずいよね。
うん、堂々としよう。
軽く髪を乾かして、あたしは部屋に戻ろうとした。
そのとき、ドアのむこうから、かすかに健吾の声が聞こえた。
「……悪ぃな、ああ」
何だろう。
あたしはそっとドアを開けて、部屋の様子を見る。
ベッドに座った健吾のうしろ姿。
ホテルの電話で、誰かと話しているところだった。
「ああ、Kインターのそばのラブホ。部屋は503だ」
え……?
健吾……
どうして、あたしたちの居場所を話してるの?
そんなことしたら連れ戻されちゃうかもしれないのに……。
猜疑心と恐怖に襲われ、あたしは目の前が黒くなっていく。