LOVE and DAYS…瞬きのように
「あ、莉子。出たのか?」
電話を切った健吾があたしに気づいた。
「……どういうつもりなの?」
「は?」
「なんでこの場所を人に教えるの!? せっかく逃げてきたのに、そんなことしたら……っ」
あたしはベッドに座っている健吾に詰め寄った。
「早くここ出よう! 別の場所に逃げなきゃ!」
「お前、何言って……」
「もう健吾と離れたくないっ! 引き離されるのは嫌だよ!!」
「ちょっと待て、莉子」
立ち上がった健吾があたしの肩を激しくつかむ。
「落ち着け。さっき電話してたのはアキだ」
「……え?」
「お前が心配してるようなことは何もねぇ。
あいつが信用できる男だってことは、お前も知ってるだろ?」
あたしは茫然とした頭で、やっと状況を理解した。
足の力が抜けたあたしを、健吾の腕が支えてくれる。