LOVE and DAYS…瞬きのように
翌朝起きると、健吾はソファで寝息をたてていた。
夜の間に移動したのかな、と思うと、申し訳ないけどちょっと笑えた。
しばらくして起きた健吾は、あたしの携帯からアキに電話をかけた。
「……えっ、マジか?」
アキの声は聞こえないけど、いい報告だということは健吾の反応でわかる。
電話を切った健吾は、上機嫌にあたしの手を握りしめた。
「お前を泊めてくれそうな人、見つかったってよ」
「本当に!?」
「ああ、S市に住む看護学生だって」
「……看護……」
反射的に、お母さんの顔が浮かぶ。
お母さんの仕事は看護士だから。
つい連想して、胸がチクッとした。
そんなあたしの内心を察したのか、健吾がおどけた口調で言った。
「看護学生ってことは、少なくとも俺より年上だよなぁ。
アキのやつ、なんでそんな知り合いがいるんだ?
やたら年上女にウケがいいんだよな~あいつ」
くやしそうな表情の健吾に、あたしは思わず笑う。