LOVE and DAYS…瞬きのように

「そりゃあ、アキが素敵だからでしょ」

「だったら俺の方がもっと」

「え? 聞こえな~い」
 

白々しく言うと、健吾はあたしをつかまえて耳元で大きな声を出した。


「俺の方がぁ、ずーっと男前だろぉ!?」

「やめて~、耳が痛~い」
 

キャーキャー笑いながら逃げるあたしと、いたずらっ子みたいな顔の健吾。

久しぶりに笑って、なんだか気分が晴れていく。
 

考えてみれば昨日からほとんど笑っていなかった。

そんなんじゃダメだよね。


元気にならなきゃ。



「でもお前、本当にいいのか? 知らない人と暮らすのが嫌なら、俺が何とかするけど」


「大丈夫だよ。だってアキの知り合いなら信用できるし」


「……お前、まさかアキに惚れてんじゃねぇだろうな」
 

ちょっと本当に悔しそうな健吾を見て、あたしはお腹の底から笑った。




健吾以外の人を好きになる方法があるのなら、聞いてみたいよ。


こんなに夢中で
こんなに切実で

こんなに大きな気持ちを

あたしはもう
止められないんだから……。



< 321 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop