LOVE and DAYS…瞬きのように
「驚かせてごめんね、こいつ、躾がなってなくてさ~。って、躾けたのはあたしなんだけど」
そう言ってガハハハと笑う、目の前の女の人。
短めのボブの髪に、少し色黒な肌
一重まぶたのタレ目が印象的な女性だった。
「はじめまして、平原サヨです。よろしくね~」
「あっ、はい! よろしくお願いしますっ」
「で、こっちが彼氏だよね?」
サヨさんが健吾を見上げて言った。
「月島健吾です。よろしくお願いします」
健吾があいさつすると、サヨさんの腕の中でワンちゃんが返事するように吠えた。
「あはは! 名前が似てるから反応したんじゃない? こいつの名前、ケンだから」
サヨさんの言葉に、思わず吹き出すあたし。
健吾はバツの悪そうな顔であたしをにらむ。
「どうぞ、入って」
サヨさんは手招きし、廊下の突き当りの部屋に入って行った。
あたしたちもおずおずと、その後に続いた。