LOVE and DAYS…瞬きのように
8畳ほどの、よく片付いたリビング。
初めて来る家の匂いがする。
「……面識もないのに、急にこんなことになってすみません」
あたしが頭を下げると、サヨさんは豪快に笑った。
「いいの、いいの。てゆうか逆に助かるんだよ。
あたし、昼間は学校で夜はバイトだから、ほとんど家にいなくてさ。
ケンに寂しい思いをさせちゃってたからね~」
初対面とは思えないサヨさんのペースに乗せられ、あたしの緊張も和らいでいく。
「莉子ちゃん。あたしの服貸してあげるから、着替えておいでよ」
「あ、いえ、着替えは用意したんで」
ここに来る途中で買った、何着かの服が入った袋を見せて答える。
用意いいじゃん、と笑うサヨさん。
「廊下に出て、左にあるのが寝室だから。そこで着替えればいいよ」
「はい」
あたしは着替えを持ってリビングを出た。