LOVE and DAYS…瞬きのように
「じゃあ俺、そろそろ行くわ」
「えっ。行くって?」
「この近くにたしか、中学の先輩が住んでたと思うんだ。
泊めてもらえねぇか聞いてみる。働くとこも早く決めてぇし」
「……そっか」
不安げな目で見上げるあたしの頭に、ポンと手をのせる健吾。
「心配すんなって。俺は男なんだから、いざとなれば何とでもなる」
「うん……」
「今日の夜、電話するよ」
健吾はそう言って部屋を出ていった。
あたしは玄関の外に出て、姿が見えなくなるまで手を振った。
……あたしのバカ。
また不安な顔を健吾に見せちゃったじゃん。
あたしがあんな顔したら、健吾をさらに頑張らせちゃうのに。
決めた。
もう絶対に弱音は吐かない。
自分の頬をペチペチ叩いて気合いを入れていると、隣でサヨさんが笑った。
「莉子ちゃんって面白いね~」