LOVE and DAYS…瞬きのように
「えっ? そ、そうですか?」
「うん。ほんとに素直っていうか可愛い。
健吾くんのことが大好きでたまらないのが伝わってくるよ」
素直なんて言われたのは初めてで、あたしはビックリした。
でももし、今のあたしがそう見えているのなら、それはきっと健吾のおかげだ。
「莉子ちゃん。ちょっと早いけど、夕飯の材料買いに行こうか。
今日はあたしのバイトが休みだから、お鍋でもしようよ」
「はい!」
あたしたちは近所のスーパーで食材を買いこみ、陽も落ちきらないうちから、歓迎パーティーを始めた。
「サヨさんは、アキと付き合いが長いんですか?」
「ううん、まだ半年くらいの付き合いだよ。
あたしの兄貴がアキと知り合って、それであたしも友達になったの」
「へ~」
「あんなイケメンと友達になるチャンス、普通はなかなかないじゃん?
あのときばかりは兄貴に感謝したね~」
あけすけな口調のサヨさんに、あたしは笑った。
お鍋の匂いに誘われてしっぽを振る犬のケンが、とても可愛かった。