LOVE and DAYS…瞬きのように
ページを開き、目に入ったのはパン屋さんの求人。
さっそく電話をかけてみた。
「あの……求人誌を見たんですけど」
「何歳ですか?」
間髪入れずに質問が返ってくる。
「15歳です」
「高校生?」
「え? ……はい」
「学生さんなら、学校から許可証をもらって面接に来てくださいね。あと、親御さんの承諾も」
「……すみません。やっぱりいいです」
あたしは愕然としながら電話を切った。
そうか……忘れていた。
15歳が働くっていうのは、こういうことなんだ。
だけど許可証なんかもらえるわけがない。
親の承諾?
そんなの無理に決まってる。
うなだれるあたしを、足元のケンが心配そうな目で見上げている。
あたしは立ち上がり、とぼとぼと歩きだした。
「可愛いワンちゃんですね」
横から声をかけられたので立ち止まると
駅の近くの小さなお店から、男の人が顔を出していた。