LOVE and DAYS…瞬きのように
「この子、名前は?」
と目を輝かせるその人。
……よっぽど犬が好きなのかな。
「ケンです」
「ケン~! よしよし、いい子だなぁ」
男の人はしゃがみこんで、ケンの体をなでる。
たぶん20代後半くらいで、帽子が似合うおしゃれな感じの人だ。
お店の中をのぞくと、個性的な雑貨やインテリアグッズが売られていた。
そして壁には、
“アルバイト募集”の張り紙。
「ん? もしかしてバイト希望?」
あたしの視線に気づいた男の人が言う。
「えっ……はい。面接お願いできますか?」
「もちろん。ここじゃ何だから入って。あ、ケンは抱っこしといてね」
男の人はあたしをお店の奥に入れ、椅子をすすめてくれた。
いきなりの展開に驚きつつ、あたしは腰をおろした。