LOVE and DAYS…瞬きのように
あたしたちは部屋を出て、川沿いの道を歩いた。
日が暮れると急に、冬が近くなったように風が冷たい。
自然とふたりの距離が近くなった。
健吾といると時間がたつのが早くて、すぐに11時になった。
そろそろサヨさんが帰ってくる頃だ。
「もう帰るか? お前は明日が初日だしな」
「うん」
マンションのエレベーターの前まで送ってもらい、立ち止まった。
「また明日、来るよ」
そうつぶやいた健吾の唇が近づいてくる。
あたしは目を閉じて、甘いキスを受けとめた。
「まず覚えてもらいたいのは在庫の整理と、それから……」
記念すべきアルバイト初日。
店長さんの指導のもと、あたしは仕事を頭にたたきこんでいった。
店長の風間さんはすごく優しくて、親身になってくれる。
サヨさんといい、本当にいい人ばかりに出会っているなあ……。