LOVE and DAYS…瞬きのように
雨の音と心臓の音が重なる中、唇がとまどうように触れる。
小さく口を開いて受け入れると、熱を持った舌がもぐりこんできた。
健吾の舌が動くたび、あたしの頭の中までかき回されているように感じた。
吐息が移動し、耳たぶに熱い息がかかる。
電流が走ったように跳ねる体。
健吾の舌が首筋をおりると、ぞわぞわと不思議な感覚が襲った。
あたしはぎゅっと拳に力をこめた。
そのとき、場違いな電話の音が、部屋に鳴り響いた。
「………」
健吾は唇を離して、電話が鳴っている方を見る。
そしてゆっくりあたしを見下ろすと、ふっと笑って頭をなでた。
健吾が体を起こして離れたとたん、電球の灯りがあたしの顔まで届き、まぶしさに目を細めた。