LOVE and DAYS…瞬きのように

再び他愛もない話を始めるふたり。


あたしは布団の中で、自分の胸に手を当てて、ドキドキを落ち着かせようとする。
 


さっきのは何だったの? 

アキ、どうして急にあんなこと……。


別にたいした意味はないよね? 

きっとあたしのことを子ども扱いして、やっただけだよね……?
 



一時間ほどモヤモヤと考えていると、健吾に肩を揺すられた。


「莉子。アキが帰るって」


「……んー」
 

寝起きのふりをして、だるそうに目を開けるあたし。
 

よかった、やっと起きられるんだ。

そう思いながら体を起こすと、ふいにアキと視線がぶつかった。
 

跳ねる心臓。


だけどアキはいつもと変わらない様子で、あたしを見てプッと笑う。


「髪、爆発してるし」

「えっ?」
 

あわてて両手で寝グセを直した。


……変だ、あたし。

何をこんなに意識してるんだろう。

< 358 / 580 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop